お寺の参拝方法について

 仏教の施設であるお寺は、神道の施設である神社とよく似ている部分もありますが、信仰する対象が異なり、参拝のマナーも違います。参拝前にポイントをチェックしましょう。  



まずは「山門」に一礼

 日本には古来より「神道」と「仏教」の2大宗教が相反することなく存在しています。民俗信仰や自然信仰を基盤とする「神道」の祭祀施設である「神社」と、インドから伝来した「仏教」の祭祀施設である「お寺」では参拝のマナーが異なります。この記事では、お寺の参拝マナーのポイントを押さえていきましょう!  

 まずはお寺の入り口(門)である「山門」に一礼します。山門とは、神社でいうところの「鳥居」にあたり、俗世と聖域の境界です。山門をくぐり、境内に入るときは「これからお参りさせていただきます」と仏様(仏教の信仰対象である仏陀)への敬意を表して一礼をして、敷居(外と建物の内とを隔てる足元の境界)をまたいで入るのがマナーです。もし帽子を着用している場合は脱ぎましょう。また、参道の真ん中は仏様の通り道なので、端を歩くよう気をつけてくださいね。



「手水舎」で手と口を清める

 お寺では本堂(本尊(そのお寺の最大の信仰対象物、多くは仏像など)を安置する建物)を参拝します。参拝前に水で身を清めるための流水施設「手水舎」に寄り、水で手を洗い、口をすすぐのがマナーです。作法は神社と同じで、次のように行います。  

1. 右手で柄杓(水をすくう道具)に水をくみ、左手をすすぎます

2. 柄杓を左手に持ちかえ、右手をすすぎます 

3. 柄杓を右手に持ちかえ、左手に水を注ぎその水を口に含み音をたてずに口をすすぎます (柄杓に直接口はつけません。また、お水は飲まずに口をすすぎ、お水はぺっと吐き出さず口元を隠しそっと下に捨てます。) 

4. 再度、柄杓を右手に持ちかえ、左手をすすぎます 

5. 最後に柄杓は、器部を上にして立てて、残りの水で柄杓の柄の部分を流して元に戻します 

 一杯のお水で一連の作法を全て行うので、最初にたっぷりとお水を汲むのがポイントです。水が溜まっている水盤の上ではなく、その外で行います。 お寺によっては手水舎がない場合もあるので、そのときはそのまま先にすすんでください。 



鐘をつく 

 次に、鐘をつける場合は本堂への参拝前に鐘をつきます。仏様へご挨拶をする意味で鐘を鳴らします。つくときは、早朝や夜間は避け、静かに行うのがポイント。参拝後に鐘をつくのは「戻り鐘」といわれ、縁起が悪いので避けましょう。 また、お寺によって、鐘をつくのを禁止している場合もありますので事前に確認したほうが良いでしょう。



線香やロウソクをお供えする

 本堂の近くに燭台と香炉が用意されている場合は、参拝前にロウソクと線香(棒状のお香)で献灯・献香を行います。献灯は世間の闇を明るく照らし、仏様に正しい方向へ導いてもらうため、献香は仏様をもてなすのと身を清めるために行います。本数は宗派によって異なりますが、特に指定がなければ1本で良いでしょう。ロウソクと線香に火を点ける場合は他の参拝者のロウソクや線香から火をもらう行為「もらい火」は、他人の「業(罪や悪いもの)」をもらい受けると言われてNGです。火を点けるときはお寺の種火か自分のライターでつけます。次の参拝者のために、ロウソクは奥から、線香は真ん中に置くのがマナーなので、気を付けてくださいね。 防火の為に献香・献灯ができないお寺もありますので、そのときは行いません。



お賽銭」を入れ、「鰐口」を鳴らして「合掌、一礼」 

 本堂へ行ったらいよいよ参拝をします。 まずは、本堂に一礼してから「お賽銭(お金を賽銭箱にいれる)」を静かに行います。事前に小銭を用意しておくとスムーズですよ。神社への「お賽銭」は神への感謝を示す行為ですが、お寺への「お賽銭」は仏様にお金をささげ、金銭への執着を捨てるという修行のひとつになります。修行といっても、金額の多い少ないは関係ありませんのでご安心を。 その後、「鰐口(上からぶら下がっている仏具)」があれば鳴らします。「鰐口」は鐘と同じく、仏様への挨拶なので優しく鳴らすのがマナーです。なければそのまま参拝します。 姿勢を正して目を閉じて、静かに胸の前で手のひらをぴったりと合わせる「合掌」をします。神社とは異なり拍手は打たないのがポイントなので気をつけましょう。「合掌」したまま、本堂に向かって一礼し、その場を離れます。寺院によりお題目(仏教で使用する定型の言葉)を唱えるよう示されている場合は行います。数珠(たくさんの石に糸を通した仏教で使う道具)があればなお良いでしょう。



その他に気をつけるべきポイント 

 お寺の境内は聖域なので、肌の露出の高いものやサンダルは控えたほうが良いでしょう。建築物や仏像などには触らない、庭園など立ち入り禁止箇所には入らない、携帯はマナーモードにし大声で話さない、走らない、飲食は控えごみを捨てない、土足禁止に指定されている場所では靴を脱ぐ、などが基本的なマナーです。写真撮影は禁止しているお寺が多いので、撮影したい時は事前に確認をしておくと良いでしょう。またお寺によっては参拝だけでなく、宝物館やお堂(お寺の施設)に入り、貴重な仏像などを見ることができる機会もあるので、その時はお見逃しなく。 お寺から帰るときは、山門を出た後に本堂に向かって一礼します。最後まで気を抜かないように気をつけて。 正しい作法をマスターして、ぜひお寺を観光する時に役立ててくださいね!


お寺は建物や庭園など美しい景観と日本文化を体験できるおすすめの観光スポットです。参拝マナーを守って気持ちよくお寺の観光を楽しんでくださいね!


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